メタルギアソリッドなんてプレイするんじゃなかった。

後悔13日目

METALGEAR SOLID 2 SUBSTANCE (コナミ殿堂セレクション)

先月、メタルギアソリッドの４がPS3で発売された。人気も人気、超人気でゲーム業界に一つの地位を確立した王道アクション（コナミは戦術謀報アクションと称している）は、世界レベルで売れている。

かく言う僕も、半年ほど前に友人の強烈なプッシュにより購入し、始めることにした。戦術謀報アクションということで、任務を静かに遂行するかっこいいスネーク（と自分の腕）に酔いしれられることだろう！と期待して、PS2をスイッチオン。

プレイすること数時間、

全ッ然、楽しくない！

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あまりの面白く無さに、脱力してしまったのを覚えている。プレイしたのはメタルギアソリッド２で、タンカー編をクリアし、プラント編も爆弾魔のボスを倒すところまで進めたものの、そこで我慢が限界に達した。「なぜこんな任務をしなきゃいかんのだ。」

メタルギアソリッドとは、基本的にスネークという特殊秘密工作員の一人称視点で進んでいくガンアクションシューティングゲームで、どこどこのスイッチを切れだとか、爆弾を処理しろだとか、潜入してデータをコピーしてこいだとかいう指令をクリアしながらストーリーを追い進める、というもの。

メタルギアという最新兵器を巡るアメリカやロシアなどの政略的な陰謀などがクロスオーバーしながら進んでいくその世界観や、シナリオの緻密さ、主人公のコミカルさに大塚明夫の声など評価視点は多々ある。しかし、なんといってもこのゲームの一番の肝は、「隠れる」「逃げる」「忍び寄る」と言った、スパイアクションに集約されるだろう。そしてそれが、僕には合わなかったのだと思う。

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一見ネガティブに見える「隠れる」などの行為が、「かくれんぼ」的な快感を与えてくれるからこのゲームは売れているんじゃないか、と開発者の小島氏は『ゲームマエストロ』の中で語っていた。開発中のβ版の時に、何かスイッチを踏んじゃうと敵がわらわらと追いかけてくるような仕掛けを作った時、思いの外テンションが上がった、とのこと。

ミッション・インポッシブル的な派手で華やかなアクションだけではなく、むしろもっと人間くさい、地を這うような生々しいアクションをも取り入れた少しシニカルな面も描いていることが、スネークの程よい「間抜けさ」として楽しめるようになっているのだろう。

が、ゲームでそんなことして何が楽しいのか？というのが正直な感想だ。

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このゲーム、当たり前だが、敵に見つかると、逃げなければいけない。ある程度傷を負いながらも逃げて逃げて、安全な場所で隠れて敵が去るのを待って、また少しずつ見つからないように壁際を進んでいく…というのを繰り返さないといけないことになっている。それがひたすら面倒だ。逃げるのが面倒すぎて、敵に見つかった瞬間、ただスネークの体力が減るのをじっと待っていたくらいだ。「早く死んでくれ。」と。

何か任務を遂行しなければいけない、ということが面倒なわけではない。ラゴスの鍵を取って来いだとか、魔導研究所に潜入しよう、とか、理不尽な指令はRPG系のゲームに付き物だし慣れている。ゲームとはむしろそういうものだ。そうではなくて、メタルギアが面倒なのは、自分で自分の窮地をリカバリーしなければならないことなのである。

その点、マリオやロックマンは単純である。テレッテテレテテン、ティウンティウン、ハイおしまい。リカバリーも何も、さっさと次のマリオやロックマンを出撃させればいい。なんとも爽快である。そしてなんとも他人事である。他人の人生、他人の命で遊ぶからこそ、ゲームは楽しい。それを半ば一人称視点に置き換えられて、自分の分身であるかのごとくスネークを操作し、生き残り、自分のミスは自分でカバーする、なんて、何が楽しいのだろう。

「上手くいっても、上手くいかなくても、それはあんたの責任でしょ。」って、そんなの人生じゃないか。ゲームでそれをして、どうする。

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他にも、操作感が合わなかったとか、色々原因はあるかもしれないが、とりあえず楽しくないことこの上なかったメタルギアソリッド。神の視点でプレイするか否か、ということがゲームの中で重要視される一つの事項になっているのかもしれない。

よくよく考えると、Nintendo64のゴールデンアイとか、バイオハザード（これは単純に怖いのがダメというだけだが）なんかが合わなかったのも、そのせいかもしれない。ゼルダの伝説、三國無双なんかの距離感だとどうなるのか、疑問は尽きないが、今回はこれまでにしたい。

メタルギア４はまた物語が壮大になったり、シューティングゲームっぽさが増したり？したらしいので変化はあるかもしれないが、とりあえず、

メタルギアソリッドなんてプレイするんじゃなかった。
後悔した。

おおはし