「睡眠障害」に関するノート

夢、ヒステリー、同一化

1夢 フロイトは夢を三つの要素からなるものだと考えていた。夢思想と夢内容と夢の作業である。そしてこの三つの要素の関係は、夢思想が夢の作業によって夢内容になるというものだ。夢内容とはわれわれが寝るときに見る夢そのものであり、多くの場合「わけの…

あなた、取り憑かれていますよ。

つい数ヶ月前はうだるような暑さだったが、いまはすっかり寒くなってしまった。夏には「おれは冬の方が好きだな」とか言っておきながら、冬になるとまったく同じように「おれは夏の方が好きだな」とか言ってしまうものである。そんな風に季節はひとを変える…

警視庁からのチラシ――「振り込め詐欺急増中 騙される前に家族で話し合おう」

もう大分前の話になるが、ドラクエVIIのキャッチコピーは「ひとは、誰かになれる。」だった。 いまではめっきりゲームをしなくなってしまったが、私も小さい頃は人並みかそれ以上にゲーマーだった。なかでもドラクエシリーズはフェイバリットで、特に印象深…

僕らの夏休み

大学の夏休みは破格的に長く、まるまる二ヶ月間にもわたるわけであるが、それもあとわずかで終わろうとしている。最近はそうでもないのだが、高校のあたりまでは他人の夏休みが結構気になっていた。 しばらく教師に会わなくていいという言い訳のもと髪を染め…

「歴史的」精神分析――フロイトとベンヤミン 3

お久しぶりです。 前回の更新からひと月ちょっと経ってしまいました。あらためて過去2回を見返してみたのですが、1回目と2回目のあいだもひと月あまりの期間があったようです。もしかしてこれが私のペースなのでしょうか。もちろん意図したわけではありま…

「歴史的」精神分析――フロイトとベンヤミン 2

前回途中で切り上げたにもかかわらず、それから一月あまりの時間が経ってしまいました。あらためて考えを続けるにあたって、前回の内容を簡単に振り返っておきたいと思います。 前回は夢という現象における夢見る人の「主観的」時間と、時計が示すような「客…

「歴史的」精神分析――フロイトとベンヤミン 1

前回の記事におけるコメント欄において、イマダさんとの「異種格闘戦」と言っていいようなものをおこないましたが(残念ながらいまはそのリングでの記録は消えてしまったようです)、その中で次回のテーマを「昇華」というふうに予告しておきました。しかし…

文化の両義性――前衛的アーティストはモテるのか

以前イマダさんが連絡してくれましたが、わたくし湯川も連載(不定期ですが)をするということなので、今回一回目を書かせてもらいます。どうぞよろしくお願いします。 先日、今年のはじめに読書会で扱ったフロイト『文化への不満』の議事録を遅ればせながら…